半夏生と書いて『はんげしょう』と読みます。難しい漢字ですね?
私はこの半夏生って言葉を知ったのはつい最近でした。
半夏生について全く知らなかったので調べてみたら、色々と面白いことが分かりましたよ。
今日は半夏生について書いてみますね。
半夏生とは?
半夏生(はんげしょう)は、雑節の1つで、半夏(烏柄杓)という
薬草が生える頃を意味します。
雑節とは、二十四節気のように中国伝承ではなく、日本人の生活文化、
それも農業文化から生まれた日本独自の暦日です。
でもそれっていつなのか?ピンときませんよね?
かつては夏至から数えて11日目としていたようですが、
現在では毎年7月2日頃から七夕頃までの5日間にあたるみたいです。
土用の丑の日なら大体夏って知っていますが、半夏生の認知度は
今一つのようです。
日本には古代中国で考案された季節を表す方式のひとつ
『七十二候(しちじゅうにこう)』というものがあります。
江戸時代に日本の気候風土に合うように改定された『本朝七十二候』が作られ、
現在では、明治7年の「略本暦」に掲載されたものが主に使われています。
七十二候?って何のことだか良くわかりませんが、立春や春分、
夏至や啓蟄などという言葉はニュースなどで聞いたことがあるのでは?
もっと突っ込んでいうと、1年を春・夏・秋・冬の四季に分けて、
四季を6期に分けた24の期間の始まりの日を『二十四節気(にじゅうしせっき)』
と言います。
● 立春・立夏・立秋・立冬
● 小暑・大暑・処暑・小寒・大寒
● 雨水・白露・寒露・霜降・小雪・大雪
● 啓蟄・清明・小満
● 穀雨・芒種
七十二候はその二十四節気を、さらに約5日ずつ3つに分けた期間のこと。
鶯が山里で鳴き始める頃とか、雀が巣を構え始める頃とか、蛙が鳴き始める頃とか、
とても美しい情景が浮かんでくる詩的な表現ですよね?
半夏生は日本に古くからある暦から生まれた風習なんですね。
半夏生に食べるものは?
半夏生ってここ数年前からスーパーなどでよく聞くようになってきました。
正直「半夏生って何?」ってチンプンカンプンでしたが、
やけに「半夏生にはタコを食べましょう!」って言っていたので、
タコを食べるといい日なんだな~位にしか思っていませんでした。
バレンタインデーや土用の丑の日みたいな商人が作った風習が
また一つ増えたのかな?程度の感覚?
でもどこでもタコを食べる習慣があるわけではないらしく、
うちは九州の南の方なので、タコを食べるっていうことみたい。
調べてみると、地方によって半夏生の日に食べるものは違うらしく、
単純に面白いな~って思いました。
農家で、小麦を混ぜた餅を作り黄粉をつけて食べる風習がある。
→田植えを終えた農民が農作業を無事に終えたことを田の神様に感謝し
お供え後、食べたことから。
●香川県
うどんを食べる風習がある。(1980年に7月2日を「うどんの日」に制定)
●福井県
焼き鯖を食べる風習がある。
→江戸時代に大野藩藩主が半夏生に農民に焼き鯖を振舞ったという逸話がある為。
●長野県
芋汁を食べる風習がある。
●関西地方
タコを食べる風習がある。
食べるものとは違いますが、半夏生には物忌みの日という側面がある
地方もあるようです。
ハンゲという妖怪が徘徊するとされ、この時期の農作業を戒めている。
●群馬県の一地方
ネギ畑に入る事を禁忌とする風習がある。
他にも、半夏生には天から毒気が降ると言われ、井戸に蓋をして毒気を防いだり、
半夏生に採った野菜は食べてはいけないと言われたりしている。
日本の風習って土地土地によって全く違って、とっても面白いですね^^
半夏生でタコを食べる風習はいつから始まったの?
半夏生でタコを食べる風習はいつから始まったのでしょうか?
正直、私が半夏生を知ったのは、スーパーなどでタコを食べましょうの
ポップがものすごく多くなった数年前から。
多分、殆どの人が最近まで半夏生にタコを食べるなんて風習
知らなかったんじゃないかと思いますが、どうでしょうか?
半夏生にタコを食べる習慣が始まった時期を調べてみたところ、
江戸時代からそのような風習があった所が存在するようですが、
明確にはわかっていないようです。
ただ、2001年8月1日に半夏生の時期にタコを食べる人が多いということから、
蛸研究会という所が7月2日を『蛸の日』として正式に制定したそうです。
なお、半夏生の日にタコを食べるのは、その頃がちょうど田植えを終えた時期で
稲がタコの吸盤のように地にしっかりと根付くようにという願かけから
食べるようになったと言われています。
タコには、疲労回復効果があると言われているタウリンや、
亜鉛などが豊富に含まれてるので、田植え後の疲労回復・夏バテ防止の
意味があるのかもしれないですね。
まとめ
半夏生とはまだまだ認知度が低いものの、日本の風土に合わせて
先人が作り上げた知恵がたくさん詰まっているんですね。
日本には私達が知らない、面白い風習や、いわれのある行事が
まだまだいっぱい眠っているようです。