父が狩猟をする友人から、シカ肉やイノシシ肉をもらってきました。
今は『ジビエ』と言ってとても人気のお肉だそうですが、
正直、食べたことのない野生の動物肉なので色々と不安なのも事実。
ジビエ肉って寄生虫の方は大丈夫なの?
硬いんじゃないの?美味しいの?
今日は今流行りの『ジビエ』について書いてみようと思います。
【関連記事】
>>ジビエの種類はどんなものがあるの?ジビエ料理って安全なの?
ジビエとは何?
最近、テレビなどでジビエが取り上げられたりしたことで、
ちょっとしたジビエブームが起きています。
ジビエというのは、狩猟によって食材として捕獲された野生の鳥獣で、
主にフランス料理での用語。
アヒルやマガモ、キジなどは良くフランス料理などでもメニューとして
食されるので、見たことがある食べたことがあるって人も多いのでは?
(ちなみに私はTV「ぐるナイ」のゴチになります!で知りました^^)
日本では、野うさぎやシカ、イノシシやクマなどを食べる習慣があるのだそうです。
ジビエを食べたいからジビエの美味しいお店を教えて欲しいと言う声も多いようで、
今、ちょっとしたジビエブームになっているようですね?
実際にジビエをレストラン等で食べた人達からも、「癖も臭みもなくて美味しかった」と
概ね好評みたいです。
そんな中、父が狩猟をする友人から、鹿肉やイノシシ肉をもらってきました。
私もジビエ肉に興味はあったのですが、それはきちんと処理された
レストランで食すのが前提でのこと。
田舎のおじさんがさばいたジビエ肉って大丈夫なの?
そんな不安の中、実際に調べた上で食してみることにしました。
ジビエ 寄生虫っているの?食べて大丈夫?
ジビエ肉を食べるにあたって一番気になるのが『寄生虫』について、でした。
感染しているとの調査結果を岐阜大学などのグループがまとめた。
ジビエ(野生鳥獣肉)料理として全国的に利用が広がる中、
加熱の徹底など取り扱いに注意を呼びかけている。
調査は、2013年から今年にかけ岐阜県の長良川と
揖斐川水系で捕獲されたシカとイノシシを調べた。
人が体内に取り込むと食中毒症状を起こす恐れがある
住肉胞子虫は、シカで食用部位の背ロースとモモから
それぞれ90%(60頭中54頭)と88%
(59頭中52頭)の高い割合で検出された。
イノシシではそれぞれ46%(26頭中12頭)と
43%(21頭中9頭)だった。
住肉胞子虫が原因とみられる健康被害は、
11年に滋賀県でシカ肉のステーキを食べたグループが
下痢や嘔吐おうとを訴えた事例がある。
また、シカの肝臓の65%で、人に感染すると
肝炎や胆管炎を引き起こす槍やり形吸虫が検出された。
いずれの寄生虫も調理時に十分加熱すれば死滅する。
調査にあたった同大応用生物科学部の松尾加代子客員准教授
(寄生虫学)は「食用部位にも寄生虫が潜んでいることが確認された。
ジビエの安全な普及のためにも解体時に内臓になるべく触らない、
調理時は十分加熱するなど取り扱いに注意してほしい」と話している。
引用:2015年4月6日 読売新聞
というニュース報道があった通り、かなりの確率で野生のシカ肉や
イノシシ肉に『住肉胞子虫』という寄生虫が寄生しており、
調理の仕方によっては人間でも食中毒になったり、
E型肝炎や腸管出血性大腸菌症のリスクが増えたりするそう。
ルールをしっかり守ればそのリスクは低下しますが、
やはりそう言われると心配ではあります。
寄生虫はいるかもしれないと思い、寄生虫を完全に死滅させる調理法を用いて、
なるべく生肉に触ることなく調理すれば大丈夫かと思います。
★★ジビエ肉 注意すること★★
- 生では絶対に食べない
- 内蔵などにはなるべく触らない
- 使った器具もしっかり消毒
- 中までしっかりと火を通す
→野生のシカやイノシシの生肉には寄生虫がいると思い、
生では絶対に食べないように!
E型肝炎ウイルスに感染した例があったので、絶対にダメです。
※E型肝炎ウイルスとは?
・・・ウイルス性肝炎の一種。潜伏期間は2週間から2ヶ月程度。
症状は、食欲不振・嘔気や嘔吐・発熱・黄疸など。
妊婦や高齢者が感染すると劇症肝炎を発症し、死亡する率が高いという研究結果がある
→解体時でも内蔵にはなるべく触らない。
→切った包丁やまな板など、生で調理したものは消毒すると安心。
ゴム手袋を使って調理したほうが安全ですね。
→中心部まで火が通るよう十分に加熱を行うことで寄生虫は死滅します。
また-20℃で48時間以上凍らせる方法もありますが、
寄生虫によっては効果が無い場合もありますので、とにかく十分に加熱!
これを忘れないで下さいね。
寄生虫と言われると怖いですが、食中毒を起こしたり、
下手をすると劇症肝炎を発症し、死亡する可能性も脅しではなく
少なからずあるので、調理の際は十分注意して下さいね。
昔からぼたん鍋(イノシシ)や、さくら鍋(馬肉)など、
馴染みのある牛肉や豚肉、鶏肉以外のお肉を使ったお鍋が
あちこちで名物鍋として有名ですが、それらもジビエ肉の一種ですよね?
こういう野生の肉を食べる風習がある土地もあるので、
ジビエ肉が一概に危険で食べるべきではないとは思いませんが、
美味しい料理を食べたけど、健康を害してしまった・・・
というのでは本末転倒ですよね?
健康へのリスクをきちんと考え、しっかりした手順の元、
美味しく安全に食べたいものです。
ジビエ 硬いの?美味しいの?
寄生虫のことが気になりましたが、注意する点もわかったので
実際に調理して食べてみました^^
うちがもらったのは、シカ肉とイノシシ肉。
近くの山で獲ったものをその場で解体し、部位ごとに冷凍したもの、だそう。
ちなみに今回調理したのは、シカ肉のもも肉。
写真を撮るのをすっかり忘れていましたが、見た感じは普通のお肉と変わりません。
色は赤くて、においも特にありません。
最初、『生で刺し身で食え』を言われていましたが、さすがにそれは却下。
(さばいた後、部位ごとに冷凍してあったため、解凍後生で刺し身として
食べても問題無いと言うことでした・・・)
今回はシンプルに焼き肉にして食べることに。
とにかく寄生虫を殺す為には、中までしっかりと火を通さないといけない!
ということなので、焼き過ぎで硬くなるのを防ぐため、薄く切ってから
し~っかり焼きます。
あんまり焼き過ぎると硬くなりそうだし、かと言って焼きが足りないと
寄生虫が死滅しなさそうだし・・・・。
結構長い時間、フライパンで焼きました。
果たしてジビエ肉は硬いのか?柔らかいのか?
美味しいのか?美味しくないのか?
恐る恐る食べてみたところ、あんなにしっかり焼いたのに、
薄切りだったためか硬くはなく、臭みやクセも一切なく
かなり美味しい♪
今回、味付けは普通に焼き肉のタレを使いましたが、
よく食べる他の肉と比べて劣っているということはありませんでした。
さすがに肉を厚く切ったら、家庭での調理なら硬くなるかもしれませんが、
普通の焼き肉(カルビ位?)の厚さぐらいなら、硬くありません。
思わぬ美味しさにびっくりしましたが、何か気分的に『また食べたい!』
とは思えませんでした、私は。
すごく美味しいんですよ?ジビエ肉。
でも別にジビエにこだわらなくても、鶏肉とか豚肉とかでいいかな?って感じ。
まとめ
ジビエ肉って流行っているようですが、やはりそこまで知識が浸透していないので、
食べるならレストランとかの方が良さそう。
ただ日本ではまだまだジビエ肉の産地などが明確にされていない場合も多いようなので、
しっかりと口コミで調べた上で、信用のおけるレストランを選んで食べたいですね。